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トリップしちゃいました

第23章 合宿


反省会も終わり、さつきと部屋に戻る。


「ほんとに終わっちゃうね、合宿。」


「そうだね。」


「ねえ、さっき本当に大丈夫だった?」


「大丈夫だよ。」


「...それならいいんだけど。」


さつきは何か言いたげな顔をしたが、すぐに笑顔に戻った。



二人で横並びになるように布団を敷き、布団に入る。


「さつき、今日もそっち行っていい?」


「ごめん。今日は一人で寝たいんだ。ごめんね。」


断られた。


当然か...。それで昨日は眠れなくてさつきにつらい思いをさせちゃったんだし。


さつきの方を向くと、布団を頭から被ってその様子は見えない。


私はそれを確認してから布団から出て部屋から出る。


部屋から出ると、廊下はもう真っ暗。


消灯時間が過ぎているからだろう。


この時間唯一明かりがあるところと言えばトイレか自販機だけど自販機のところにいることにした。


あそこは自動で明かりがついてるし、ベンチもあるし、自販機にくっつくと何気に暖かいから。



自販機の横にあるベンチに座り、その上で膝を抱える。


『合宿楽しかった?』


頭の中に声が響いた。


反省会の時のような怖い感じではなくこれはみさきなでしこの声だ。


「...楽しかった。」


周りには誰もいないから声を出す。


『良かったね。』


「...さつきって、いい子だね。勘違いしてた。」


『そう?でも由良がそう言うならそうなのかも。』


「私、さつきのおかげで眠れたの。だからね、さつきが困ってたら助けたい。」


『由良がそんなこと思うなんて...!成長したね!私に出来ることがあったら何でも言って!協力するから。』


「うん。ありがとう。」


私がお礼を言うとみさきなでしこは眠りについたようで静かになった。
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