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トリップしちゃいました

第4章 多重人格の私


「今日は俺も送ってってやる。」


虹村さんも一緒に来る....?


面倒くさいとか言いそうなのに。


「....ありがとう....ございます。」


「おう。」



校門を出て私の家がある方に歩く。


「....虹村さん。」


「あ?」


「....手、つないでいい...?」


「はぁ?なんで?」


「....暗いの怖い....。」


「あぁ、さっき言ってたな、それ。」


「なんのことです?」


「部活終わってすぐ保健室行ったんだよ。そしたら柏木がうなされてて暗いのが怖いって話聞いたんだ。な?」


私に振らないで欲しかった....。


赤司くんに子供だって思われたかな....。


「....うん。」


俯いて頷いた。


「そうだったんですか。じゃあ、俺と繋ごうか。」


へ?


赤司くんが手を差し出している。


「繋がないのかい?」


「....ううん。繋ぎたい。」


差し出された赤司くんの手を握る。


わわっ....赤司くんの手だぁ....。


顔には出さなかったが、実は内心すごく喜んでいた。


「....オメーら仲良しごっこしてる子どもみたいだなぁ?」


「....仲良しごっこ?子ども....?」


言われてることの意味がよく分からなくて虹村さんの方を見て首を傾げる。


「柏木、俺たちは今馬鹿にされたんだ。」


「....馬鹿にされた?」


「あぁ、そうだ。」


「今ので分からないとかどんだけ鈍感なんだよ。」


「....鈍感じゃないもん。」


さすがにちょっと怒りを覚えて膨れる。


「ははっ。」


虹村さんが私が膨れたのを見て笑う。


赤司くんもなぜか笑っていた。

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