第23章 合宿
部屋の前まで来た。
ドアを開けると、さつきが布団の上に眠っていた。
さっきと同じ光景に思わず後ずさるが、ここで怖気づいても何も変わらないので勇気を振り絞ってさつきの体に触る。
そして揺する。
「さつき、起きて。ご飯だよ。」
お願い...起きて。
「なんで起きないの...。起きてよ!」
声を荒げて床をバンと大きな音を立てて叩く。
苦しい。...くるしいから、起きて。苦しいのは嫌だよ...。
「はっ...はっ...」
くるしいよ...たすけ、て。
赤司side
皆より少し早めに青峰と黒子と食堂に来てみたが、いたのは佐藤さんだけ。
佐藤さんに事情を聞き、柏木が部屋に行ったと教えてもらい、様子を見に行くことにした。
部屋の近くに行くと、部屋の中からバンと大きな音が鳴り驚いた。
部屋の前に着いて外から声を掛けるが返事はない。
仕方なくドアを開けてみたら桃井は布団で寝ていて、柏木はというと布団の横で丸まって泣き、自分の首を絞めて苦しがっていた。
俺は急いで柏木に駆け寄り、柏木に声を掛けた。
由良side
「...い...おい...」
苦しくて苦しくて仕方ないとき、声が聞こえた。
誰かは分からないけどその人の体の一部を掴んだ。
ちゃんと掴めているから幻ではないみたい。
苦しみながら安堵していると、口を何かで押さえられてそれを外したくて口を覆っている何かを掴んで自分の口から引きはがそうとした。
でも手が押さえられてそれが出来なかった。