第23章 合宿
私は青峰くんの横で寝ているテツヤに声を掛けた。
「生きてる?」
「...生きてますよ。」
「それ、楽しい?」
「楽しいわけないじゃないですか。」
床とお友達状態のテツヤをしゃがんで見る。
「柏木さん、こんな時にこんなことを言うのはちょっとあれなんですが...」
「なに?」
「...そんな体勢だと見えますよ。」
なにが、と首を傾げそうになったが分かった。
「テツ、なにが見えんだよ?」
青峰くんは分かっていないようでテツヤに聞いている。赤司くんは興味がなさそうに練習中の部員を見ている。
「見たければ見ればいい。テツヤの趣味なんか知らないけどご自由に。」
テツヤも案外見てるものだなぁと思いつつ、テツヤにしてみれば気遣って言ってくれてるんだという思いもあり怒る気にはなれなかった。
テツヤのことは放っておいて今度はお昼ご飯の準備に取り掛かるため食堂に行くことにした。
テーブルにお皿を並べて箸やらフォークやらを置いていく。
今日のお昼の献立はキャベツ、トマト、パプリカなど色とりどりの生野菜のサラダにざるそば、冷奴。
全部冷たいもので涼しそうなメニューだなと思った。
みんなが来るまで座ってようと思ったがさつきのことを思い出して部屋に向かう。