第23章 合宿
休憩時間も終わりタオルの回収も終わり私はまた外に出る。
部員のタオルを洗うのは私はこれが初めて。
洗うってどうするんだろう?
とりあえず水に濡らして絞って干せばいいのかな?
洗濯機があるのなら洗剤でも入れてスイッチを押せば終了なのに。
一つ一つ手洗いは時間がかかりすぎると思うんだけどなぁ。
まぁいいや。考えるだけ無駄か。
かごの中のタオルを全部出して水道の水に浸して一つ一つ絞ってかごの中に放っていく。
そしてそれを日当たりの良い場所に干して終わる。
結構タオル洗うのだけでも時間かかるね。
さつきには本当に苦労掛けさせたなぁ。感謝しなきゃね。
「柏木っち~!」
黄瀬くんの声がした。
気のせいかと思ったけどその直後に抱きつかれたから気のせいではないみたいだ。
「大変なんスよ!赤司っちと青峰っちがぶつかっちゃって!早く来てください!」
私が返事をする前に黄瀬くんは私を引っ張って体育館に連れていってくれた。
体育館では普通に練習していて騒いでいる様子はない。
ただ二人が床で寝ているテツヤの隣で大人しく座っているだけだった。
黄瀬くんが大げさだったからもっと大事だと思ったのに。
私は二人に近づいて事情を聞いた。
赤司くんは手首を捻っていて、青峰くんは突き指だろう。
まず大人しくしていられない青峰くんの指をテーピングで固定してから赤司くんに手当をする。
赤司くんの手首に湿布を貼ってから包帯で固定する。
「上手いな。」
「...なにが?」
「包帯の巻き方だよ。手慣れている。」
「さとりんが教えてくれたの。...二人とも今日はボールに触らないで手を使わない筋トレでもやって大人しくしててね。」
青峰くんは心配だが赤司くんはきっと大丈夫だろう。
優先順位がよく分かっているから物分かりもいいはず。
青峰くんには赤司くんに付いててもらうから意外と大丈夫かもしれない。