第23章 合宿
一番最初の人から順にカードをめくっていく。
一週目は誰もカードを取れなかった。
二週目は段々とカードの位置が分かってきて同じ数字のカードの位置もなんとなく分かってきた。
神経衰弱の私なりの楽しみ方は色々ある。
その中で今回の楽しみ方を選び、それを今から実行しようと思う。
二週目、虹村さんが偶然めくった二枚のカードがペアになっており、虹村さんだけが一組だけカードをゲットした。
私はというと、まだ誰にも触れられていないカードとすでにめくられたカードを一枚ずつめくった。
結果、カードは取れなかったわけだが。
三週目は青峰くんの次の上級生がペアのカードを二組もゲットし、テツヤも一組ゲットしていた。
私は二週目と同じことを三週目、四週目とひたすら繰り返す。
ゲームも終わりに近づいてきた。
カードも残り少なく、順番が早い人が有利になった。
最後は青峰くんの次の上級生その一が残りのカードを二組残して、その次のテツヤが二組のカードを取りゲームは終了した。
ゲームが終わり、各々カードを数え始める。
一番多くカードを取ったのは青峰くんの次の順番だった上級生の鈴木さんだった。
次は少しの差で虹村さん、次はテツヤ。
私は一枚も取れず最下位になった。
でも目標は達成したし、十分楽しめた。
最下位だった私は罰ゲームとしてカードを全て順番にそろえてケースの中にしまった。
私はそろそろ時間だったからさつきを起こしにいくと言って部屋を出た。
それと、紫原くんとテツヤ、虹村さんも一緒についてきた。
この三人が一緒にいるなんて変な組み合わせだなと思ったけど、なんとなく言いたいことは分かっている。