第23章 合宿
食堂の片づけをしてさつきと部屋に戻る。
さつきは眠たそうだったけどご飯を食べて更に眠たそうになっていたから部屋で眠るよう勧めた。
「うん、そうしようかなぁ。眠い...。時間になったら起こしてくれる?」
「いいよ。」
さつきは目を閉じるとすぐ寝てしまったようで寝息が聞こえる。
「髪さらさらしてる。」
さつきの頭を撫でてみると、髪がサラサラしていて綺麗なことに気づいた。
女の子だなぁ。男子にモテるのも頷ける。
私は立ち上がって廊下に出る。
私も昼寝はしたかったけどしたら起きれなくてマネージャー二人で遅刻しそうだったから寝ない。
そもそもさつきが寝てるのは私のせいだし。
やることもなくてただあてもなく歩く。
自動販売機の前で止まった。
何か買ったら怒られるから何も買わないけど見てるだけならいいだろう。
お茶、コーヒー、おしるこ、ジュース、炭酸系、水、色々ある。
どこにでもありそうな自動販売機だ。
「おい、なにやってんだ?また何か買おうってんじゃないよなぁ?」
後ろからいきなり声が聞こえた。
振り向かなくても分かる。この声は虹村さんだ。
前回この自販機でコーヒーを買って怒られたっけ。
「安心してください。見てるだけです。」
振り向かず言う。
そうしたら頭を掴まれて虹村さんの方を向かせられた。
「人と話す時は人の顔見て話せって。」
「敬語は使ったからいいかなと思って。」
「敬語は先輩に対して使うのは当たり前だろうが。いつもは特別だトクベツ!」
なら虹村さんが敬語使いなよ。忘れてたけど私本当は19だし。
なんて怒った顔の事情を知らない虹村さんには言えず黙ったまま虹村さんの言い分を聞いてあげた。