第23章 合宿
カシャ
赤司くんにお願いして写真を撮らせてもらった。
不機嫌だったけど赤司くんはどんな顔でもかっこいいから表情はどうでもいい。
撮った赤司くんの顔を保存して携帯をカバンに戻しに行くと同時にポーチを今度は持って行く。
「これで落とせるのか?」
「うん。」
ポーチの中のメイク落としを赤司くんに渡した。
赤司くんはすぐ立ち上がって水道に行こうとしたけど私がそれを止めた。
「まだ説明終わってないよ。」
「なんだ?まだ何かあるのか?」
「とりあえず座って。」
赤司くんは渋々といった感じで座る。
私はポーチの中からコットンを取って赤司くんに渡したメイク落としの中身をコットンに垂らした。
そして赤司くんに目を瞑ってもらう。
虹村さんはその様子を見ている。
「何してんの?」
「マスカラは落ちにくいから、こうしてコットンにしみ込ませて優しく拭き取るのがいいってみさきなでしこが言ってた。」
「へー。」
優しく丁寧にまつげについたマスカラを落とす。
「...終わったからもう、目開けていいよ。」
そう言うと赤司くんは目を開けた。
「洗う時はあんまり擦らないでね。」
そう言って赤司くんにメイク落としをあげて水道に向かわせた。
虹村さんは私と一緒に部屋の前にいる。
「どうして赤司にあんなことしたんだ?」
「...やりたがっていたから。みさきなでしこが。丁度いい機会だと思って。」
「ふーん。...さて、俺は部屋に戻るかな。」
虹村さんが立ち上がる。
そんな虹村さんに私は手を振った。
「練習遅れんなよ。」
「うん。」