第4章 多重人格の私
保健室のドアが開く音がした。
「柏木ー、着替え終わったかー?」
「....うん。」
仕切りから顔を出す。
「あ、赤司くん....。」
虹村さんだけかと思ったが、赤司くんもいた。
「....どうしたの?」
「オメーの様子見だよ。オメーがおかしかったっつったら、着いてきた。」
「....ふーん。」
「で、俺の体育着着れたか?」
「....うん、下は穿けなかった....。」
「そりゃそうだ....。」
クシュン
くしゃみをした瞬間、鳥肌がたつ。
寒....。
「寒いか?」
虹村さんがそう聞いてから私が答えるまでに赤司くんが自分のブレザーをかけてくれた。
「....うん。えっと....ありがとう。」
赤司くんにお礼を言う。
「ああ。」
「汗ちゃんと拭いたか?」
「....拭いた。」
「着てた服、まだ汗で濡れてんだろ。」
「....なんで知ってる....の?」
「あんだけ汗かいてたら誰でも想像つくわ。」
「そのまんま帰るわけにもいかねーしな....。」
「....そのまんまじゃなにかいけないの?」
「いやいけないだろ。な?」
「ああ。その恰好で出たら風邪を引く。」
「代わりのシャツとか持ってねーの?」
「....持ってない。」
もしかして早く帰りたいのかな?
私がシャツ持ってないせいで....。
「....帰っていいよ?」
「は?」