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トリップしちゃいました

第23章 合宿


虹村side


みんな起きだした頃に起きて、顔洗って着替えて暇だったからちょっと廊下歩いてて音が聞こえた。


聞きなれたボールの音。


しかも体育館から。


こんな時間から体育館にいるなんてどんな練習熱心な奴だと思って気になって体育館に足を運んだ。


でもそこにいたのは練習熱心な部員ではなく、柏木だった。


柏木はゴールに手を伸ばしてゴールを見ているところだった。


「何やってんだ?」


気になって声を掛けた。


だが柏木の耳には届いてなかったらしく、あいつはぼーっと上を見ているだけだった。


今度は近づきながらさっきよりは大きい声で言った。


「柏木、何やってんの?」


柏木は気づいたらしく、ビクッとしてから驚いた顔をこっちに向けた。


「...別に何も、してない。」


そう言われた。


ボールが転がったままだし何もしてないわけないだろと言いかけて止めた。


なんか怯えられているような気がしたから。


なんで俺があいつに怯えられなきゃいけないのかよく分からん。


「...虹村さんは何してるの?」


いきなり質問されてびっくりした。


少し考えてから答える。


「俺か?散歩してたら体育館からボールの音が聞こえたから来てみたら柏木がいた。」


「...ふーん。」


「...柏木は今日は寝たか?」


「うん。」


「そりゃあ良かった。じゃあ今日は練習には参加出来るな。」


「...そうだね。ねえ、一つ聞いていい?」


「なんだ?」


柏木は俯いた。


なにか聞きづらいことなんだろうか。
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