第23章 合宿
由良side
「...私、寝てた...?」
目が覚めて起き上がってみた。
隣にいたはずのさつきの姿が見えなかったが今は自分がさつきと同じ部屋で寝ていたことに驚いていた。
やっぱり誰かと一緒に寝るにはその人の心臓の音を聞きながらでないといけないみたい。
昔二回ぐらいさとりんと一緒に寝たときも昨日みたいに寝た。
一番身近に生きていると感じられるからかな。
昨日までの不安は一体どこへやらって思うほど、昨日の私は安心していたと思う。
とりあえず顔を洗いに行こうと立ち上がった。
廊下に出ると、ひんやりしていて気持ちがいい。
部屋の前にある水道で顔を洗う。
タオルを部屋に忘れたのに気づいて部屋に戻ってカバンから出したタオルで顔を拭いた。
まだ朝練の時間までは時間があるから部屋より涼しい廊下を歩くことにした。
適当に歩いていたはずなのに自動販売機のあるところに来てしまった。
なんでここばっかりに来るのかな、私。
あれ?あそこにいるの...。
ピンクと赤い頭が見えた。
美男と美女、傍から見たら二人はすごくお似合いに見える。
何か話しているようだがここからだと何も聞こえない。
何もやましいことはないのだから普通に近づいて挨拶することにした。
「おはよう。さつき、赤司くん。」
「あ、由良ちゃん!おはよう!よく眠れた?」
「...おかげさまで。」
「おはよう。」
「...さつきは眠れなかったんだね。ごめんね。...私があんな話したからだね。」
さつきの目下にはクマが目立つ。
「大丈夫だよ!むしろ由良ちゃんのことを知れて嬉しい。」
笑顔でそんなこと言われた。