第23章 合宿
大会はお開きになり、みんなぞろぞろ部屋に戻っていく。
私もさつきと一緒に部屋に戻ることにした。
「由良ちゃんて百人一首強かったんだね。すごかった!」
「...そう?ありがとう。」
さつきが興奮したように言ってきたからとりあえずお礼を言っておいた。
「はぁ~、今日も疲れたね。」
二人で布団の準備をしながら話す。
「...さつき、ごめんね。」
「なにが?」
「仕事押し付けちゃって...。」
「全然いいよ?だって由良ちゃん具合悪かったんでしょ?そういう時は休んだ方がいいよ。」
どうして...こんなに優しくしてくれるの?
「ねえ。」
「うん?」
「今日一緒の布団でくっついて寝たい。」
「えっ、と...それって...添い寝ってこと?」
「うん。」
「...いいよ。一緒に寝よ!」
さつきは戸惑ってはいたが私が一緒に寝ることを許してくれた。
二つ布団を敷いたが、一つはそのままそこに置いておいてもう一つの方に二人で入る。
二人で向き合うような形になっている。
「由良ちゃん、私夜中にいびきとか、かいてない?」
「...かいてないよ。」
「そっかぁ。良かったぁ。由良ちゃんにそのせいで寝れないって言われたらどうしようかと思っちゃった。」
「私が寝れないのは...もっと別の理由だよ。さつきのせいじゃない...。」
「それって...聞いてもいいのかな?」
「...いいよ。」
いつもなら嘘をついて話を逸らすか終わらせるかするのになんだか嘘をつけない。
さつきの心音を聞いてるからかな...。
あったかくて、安心する。