第23章 合宿
体育館に行くと、部員たちはみんな、ストレッチをしていた。
そんな中体育館に入っていった私はちょっとだけ目立ってしまった。
「...遅れて、すみませんでした。」
コーチに頭を下げる。
「もう体調はいいのか?」
「はい。」
笑顔で答えた。
「マネージャーと言っても遅刻は遅刻。ペナルティはきちんと受けてもらうぞ。」
「...分かりました。」
「桃井が仕事を一人でやっているから行きなさい。」
「...はい。」
コーチにもう一度頭を下げてさつきの仕事を手伝いに行った。
ペナルティって確か、外周だったっけ。
合宿所の周りを3周。
つらそうだなぁ。
さつきを探して動く。
みんながいないからちょっとだけさぼる。
壁に寄りかかって座り込んだ。
「冷たくて、気持ちいい...。」
壁はひんやりしていて気持ちよかった。
今いるところは暑いのに壁が冷たいからそのままそこから動けなくなりそうだった。
「そこにいるのは柏木か?」
ぼんやりしていると、名前を呼ばれたような気がしてそっちを向いた。
「大丈夫か?また具合が良くないのか?」
「...ううん。違う。」
あーあ。さぼってるところ監督に見つかっちゃった。
これできっと、またペナルティの追加だ...。
「誰がどう見たって今の君は完全に具合が悪そうだ。真田さんには私から言っておくから部屋で少し休みなさい。」
「...ダメ。」
あまり言うことを聞かない体で立ち上がったらふらついたから監督が支えてくれた。
「...遅刻、しちゃったから、ペナルティ受けないと。」
私は言うことだけ言って膝から崩れ落ちた。