第23章 合宿
「はぁ、はぁ...。疲れた。」
久しぶりに全力疾走したから疲れた。
部屋に入る前に手に持っているコーヒーのふたを開けて一口飲んだ。
そうしてから部屋に入る。
「由良ちゃんどこに....ってそれ買ってきたの?」
「うん。」
「でも飲み物買うの禁止じゃなかったっけ。」
「....ばれなきゃいいんじゃない?」
またコーヒーを一口飲む。
「それより早くしないと朝練始まっちゃうよ!」
時計を見ると、確かにもうすぐで朝練の時間だ。
「...さつき先に行っててよ。」
「え?なんで?」
「...私、ちょっと遅れるかもしれないから。先行ってて。」
「....?由良ちゃんがそういうなら先行くね。赤司くんとコーチには私から伝えとくから、由良ちゃんも早く来てね!」
さつきは不思議がりながらも最後には自分なりに解釈したのか、元気よく部屋を出て行った。
私は障子が閉められてからその場に座り込んだ。
「...疲れた...。」
寝てないってことは体の疲れが全くと言っていいほど取れないということ。
分かってたけど...つらい。
コーヒーを飲む。
缶をその場に置いて、四つ足で這って着替えの入っているカバンのところまで行く。
早く着替えて体育館、行かなきゃ。
あ。赤司くんに遅れるなって言われてたんだった...。
怒られるかなぁ。
ま、いいや。そんなこと、どうでも。
着ていたものを脱いでTシャツを着てスカート、靴下を履いて体育館履きを持つ。
まだ中身の残っているコーヒーを飲み干してゴミ箱に入れた。
部屋の明かりを消して部屋を出た。