第23章 合宿
原因を改善?
そんなこと、簡単に出来るわけないじゃん。
馬鹿みたい。
さっき言いたくて言えなかった言葉。
さつきの寝息を聞いていると無性に腹が立った。
私を苦しめる原因のくせにどうしてさつきはこんなにぐっすり眠れてるの?
完全な八つ当たりだということは分かっている。
でも、...でもね。
さつきに近づいてさつきの首に手をかける。
力をこめず、その状態でいること数分。
「...これこそ馬鹿らしい。なにやってんだろ、私。」
さつきから離れてさつきのかけた目覚まし時計を見た。
今日が終わり、明日になっていた。
時間が過ぎるのってなんでこう早いのかな。
立ち上がって部屋の外に出てみた。
暗くて寒い廊下。
暗いのは嫌い...。
あの日も暗かったし。
暗いのは嫌い。でも、部屋にも戻りたくない。部屋に戻ったらおかしくなりそうだから。
どこに行くでもなく歩く。
歩いて、歩いて、歩いて。
着いた先は光がある自動販売機のところだった。
どうしてこんなところに、と言われても説明は出来ない。
言えるとすれば、暗いのが怖かった。それだけだと思う。
自動販売機が立つ隣にはベンチがあり座れるからその上に体育座りになって座った。
寒いけれど寒さが原因じゃない震えと恐怖とふいに聞こえてきた幻聴とで感じたことはあるけれど名前を知らない感情に押しつぶされそうになる。
意味がないと分かっているが耳を塞ぎ、顔を埋めた。
大丈夫。夜なんてすぐ終わって朝が来たらみんな起きてくるから。
『夜は終わらない。みんなは起きない。お前はまた同じ過ちを繰り返す。そういう運命だ。』
「ちがう...!やめて、やめて...!」
助けて...。