第23章 合宿
テーブルの上を見ると、みんなカレーなのに私だけ昼間に残したおかゆだった。
昼間はなんだかいい気分で食べられたのだが、今はそうでもなかった。
みんな食べ始めた中、私だけはおかゆをじっと見ていた。
「柏木何してんだ。早く食わねぇと飯の時間終わるぜ。」
「....。」
虹村さんの言葉を聞いて、スプーンを握っておかゆを軽くかき混ぜた。
そしてすくって口の中に入れる。
噛みごたえも何もないドロッとした液体が口の中に入り、なんだか気持ち悪くて一気に飲み込んだ。
こんなもの、食べきれるとは到底思えないが食べなければ終わらないからと諦めて我慢して食べる。
大分減ってきたとは思うがまだ残っているおかゆ。
お腹をさする。
正直もうきつかった。
「柏木、もうダメか?」
虹村さんが声をかけてきた。
ダメかと聞かれ俯く。
「ダメそうなら俺がそれ食うけど。無理そうか?」
「...うん。」
私が頷くと、虹村さんが私の前にあったおかゆの皿を自分の方へ引き寄せた。
「なんで...。」
「なんでってそりゃあ...。オメーはまだ一応病人扱いだし無理して食えなんて言わねぇよ。」
虹村さんが優しい...。
食事に関してこんなに優しくしてくれるなんて思わなくてびっくりした。
「...ありがとう。」
「おう。ほら、皿は片づけろよ。」
食べ終わった皿を私の前に置いた。
食べるの早っ。
「あー、そうだ。飯と風呂の時間終わったら話すことあるから自販機のあるとこまで来いよ。」
「...話すこと?ここじゃダメなの?」
「あぁ。」
話がいいことでないことはなんとなく分かった。
一瞬行かないという選択肢も思い浮かんだがその考えはなかったことにする。
だって何されるか分からないし。
だから大人しく従うことにした。