第23章 合宿
「実は君が寝ている間に昼飯の時間が終わってしまってね。柏木用の食事を作って下さったんだが、食べられそうか?」
ご飯...。
「...食べない。」
「赤司の言った通りだな。」
「....?」
監督が呟く言葉の意味が分からず首を傾げる。
「見たところ元気そうだから食堂に行こう。食べるか食べないかはそこで決めてくれ。」
そう笑顔で言い私の手を引き立ち上がらせ掴まっている手を少々強引に引っ張られ食堂に連れていかれた。
食堂に着く前に色々抵抗してみたが途中で諦めた。
食堂に着くと、椅子に座らされ待っているよう言われたから大人しく待つ。
数分待つと電子レンジのチンという音がして監督が湯気の出ているおかゆを私の前に置いた。
「さあ、お食べ。」
私は目の前に置かれたおかゆをじっと見つめて監督を見つめてまたおかゆに視線を戻した。
スプーンを左手で持ち、おかゆをすくって冷まして口の中に入れる。
「どうだい?」
「...おいしい。」
本当は味なんて感じなかったがなんとなく嘘をついてしまった。
少し食べたところでスプーンが止まった。
「もう限界か?」
「...お腹いっぱい。」
「じゃあ残りは夕食で食べるとしよう。」
監督がおかゆにラップをかけて冷蔵庫に入れた。
「行こう。」
「...どこに?」
「体育館だ。いつも私が見ている景色を見せてあげよう。」
私の返事を聞かずスタスタ行ってしまう。
体育館に行くと、今はチームに分かれて試合をしているようだ。
誰も私たちには気づいていないようで一生懸命練習している。
私たちは上に上がった。