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トリップしちゃいました

第23章 合宿


「.....。...柏木...。」


誰かが私を呼んでる?


私を呼ぶのは、誰?


「柏木!」


はっきりと名前を呼ばれてハッと目を覚ます。


目の前にあったのは虹村さんの凶悪面。


おかげで目は一気に覚めた。


「...オメー何してんだよ。」


「...寝てた。」


「今は練習中だぞ。休憩じゃねぇんだからやる時はきっちりやれ。あと敬語使え。」


「...はい。」


そう言って虹村さんはクーラーボックスを持っていって体育館に行ってしまった。


だって、眠かったんだもん...。


心の中で言い訳をする。


眠たいの我慢できなかったんだもん。


「馬鹿、みたい。こんな言い訳...。」


そう呟き立ち上がろうと後ろに手を付いて立ち上がる。


自分では立ち上がれてたつもりだった。


でも...私は膝からガクンと崩れ落ちていた。


その場に愕然として座り込む。


誰か呼ぼうにも虹村さんは行っちゃったし、誰かがここにまた来てくれるのをまたなきゃ。


誰かって誰...?


...気持ち悪い...。


何かがのどの奥からこみあげてくる感じ。これ、知ってる。


そう思ったのと同時に私は吐いていた。


あれ。水、どこやったっけ...。


そんなことを考えながらまたのどの奥からこみ上げてくるものを吐き出した。


膝にかかってしまったものをじっと見る。


口の中、気持ち悪い、からうがい...。


力の入らない体を動かして膝立ちになり、後ろ手にある水道の蛇口をひねった。


水を口に含んで水を捨てる。


それを何度か繰り返してから、水を止めた。
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