第23章 合宿
由良side
ちょっとだけ寝るつもりだったのにいつのまにか休憩時間まるまる使って寝てしまったらしい。
私の周りにはたくさんの人。
さつきが涙目で私に何か言っている。
正直どうでもよかったから聞き流して少しだるい体で立ち上がった。
その時、抱えていたボールが落ちてドンと音を立てて転がっていった。
そのボールが転がるのを見つめる。
「柏木、話はあとで聞くとして、早くそのボールを片づけて支度してこい。」
赤司くんに言われて動き始める。
ボールが入ったかごはもう出されていたからそこに向かって入るかどうかは知らないけど適当に放って小走りで体育館を出た。
部屋からタオルとかスポーツドリンクとか持ってきて急いで体育館に戻った。
私が来たときにはみんな既にウォーミングアップに入っていたから赤司くんを見つけて声を掛けてからやることをやりにいった。
私は昨日に引き続きドリンクを作っていた。
さつきがそういうのが一切ダメでドリンクを作ると死人が出るからと言われやることになった。
冷たい...。
でも暑い...。
照りつける太陽の方を向きながらため息をつく。
出来上がったドリンクをクーラーボックスに入れてこの仕事は終了する。
私の主な仕事はこれで終わり。
本当ならここで体育館に戻るのだが戻らず持ってきていた日傘を差してその場に座った。
照りつける日差しはそれで遮られるが、溶けるような蒸し暑さは変わらない。
でも今の私にはそんなことどうでもよかった。
すごく眠い...。
さっきも一杯寝たはずなのに。やっぱり、分かり切ってたことだけど、...しんどいなぁ。
目を瞑る。
そうすると、すぐに眠気はやってきた。
またほんの少しだけ...寝かせて...。
微睡みが私を飲み込んでいく。
おやすみなさい。