第23章 合宿
ふぁ~
「でっかいあくびだな。おはよう。」
あくびをしていると頭に手が乗った。
「ちゃんと寝たのか?」
虹村さんだった。
「...寝ました。おはよう...ございます。」
「お、ちゃんと敬語使えるようになったじゃん。」
頭を撫でられる。
嬉しくて口元が少しにやけた。
「今日もハードだと思うけど頑張ろうな。」
虹村さんは手を振って行ってしまった。
私たちはこれから朝ごはんの前の朝練習に入る。
朝ごはん前だから軽いことしかやらないらしい。
ストレッチとかウォーミングアップ程度の外周とか。
私から見たら全然軽くないと思うんだけど、昼間の練習に比べたら軽い、のかな...?
早速始まった。
私は食堂に行って朝ごはんの準備をしてくる。
食堂には食欲をそそるいい匂いが立ち込めていた。
佐藤さんの指示に従って皿を並べたり箸の準備をしたりしてそこでの仕事はすぐ終わった。
でもこのまま体育館に戻ってもみんなすぐに食堂に来ることは分かっていたから今回はここで待っていた。
数分待っているとみんなぞろぞろやってきて手を洗って自分の席に着いた。
私も嫌だったけど席に着く。
私の両側の人たちも来て席に着いた。
「柏木おはよう。よく眠れたかい?」
「うん。」
あくびを噛み殺しながら言った。
「あくびを噛み殺しながら言われても説得力ないよ。寝てないのか?」
「ううん、寝たよ。ほら、...夜の睡眠と昼間の睡眠は違うってよく言うでしょ?...あれとおんなじだから、気にしないで。」
「寝すぎは体によくないよ。」
「うん。気をつける。」