第23章 合宿
「由良ちん、それ俺にもちょうだ~い。」
紫原くんが強請ってきた。
「...これあげたら、何くれるの?」
「え~、じゃいらな~い。」
対価交換を条件にしてみたらやっぱり紫原くんはホットミルクをあきらめてくれた。
食堂を出て少し歩いたところに自動販売機があってその隣に長椅子があったからそこに座る。
一緒に着いてきた二人も椅子に座る。
私、赤司くん、紫原くんの順に座った。
「...部屋に戻らないの?」
「部屋に戻っても特になにもしないからね。紫原、そろそろ菓子を食べるのを止めろ。」
「え~、いいじゃん。赤ちんのケチ~」
「...ふふっ。」
二人のやりとりに思わず口から笑いが漏れた。
「あ、由良ちんが笑った~」
「何かおかしかったか?」
「ううん。...よく分かんないけど面白かったから。」
赤司くんと紫原くんが仲良くしているところを見て嬉しくなってしまった。
赤司くんが楽しそうにしている姿が見られて嬉しくてそれで笑ってしまった。
「そういえばさ~、さっき由良ちんが言ってたやつ、なんだっけ~」
紫原くんが思い出したように私に話を振ってきた。
「さとりん、だったか?」
「そう、それ~」
「...さとりんがどうしたの?」
私は首を傾げる。
「あだ名、か?それは。」
「うん。」
「柏木とどういう関係だったんだ?」
「....。...さとりんは、病院の先生だよ。」
言おうかどうか迷ったがここまで言ったんだから隠しても仕方ないと思ったから正直に言った。