第23章 合宿
そろそろ空もオレンジ色に染まりつつある。
夏だから日が落ちるのは遅いはずだがいつの間にか時間が経っていたのだろう。
いつ練習が終わるのかなぁと思っていたらコーチから終わりの号令がかかった。
その瞬間ほとんどの部員がその場にへたり込んだ。
やっと終わったー、とか死にそう、とか声が上がった。
私とさつきはご飯の準備をするため部員たちを放っておいて食堂に向かった。
「疲れたね。」
「...うん。」
「ご飯なんだろうね?」
「...知らない。」
「楽しみだねー。」
「うん。」
食堂に着き、家主のおじさん、じゃなくて、佐藤さんの指示に従って昼間と同じように皿をテーブルに並べたり盛り付けたりする。
昼間とは違ってさつきがいたから早く終わった。
部員たちは多分もう各自部屋に戻っている頃だろう。
私たちも一旦部屋に戻る。
5,6分部屋で休憩して二人で食堂に再び来た時には部員たちがほぼ全員揃っていて来ていないのは私たちマネージャーと監督、コーチぐらいだった。
席は昼間と同じところなので私はまた赤司くんと虹村さんの間に座ることになる。
「おせーぞ柏木。」
早いのはみんなだよ...。
と言いたかったがこれからこの二人に挟まれて食事しないといけないという事実が嫌で何も言わなかった。
「早いのは俺たちですよ。」
赤司くんが私の言いたかったことを代弁するように言ってくれた。
赤司くんて人の考えてることとか読み取れる力でも持ってるのかな...。
なんて考えて赤司くんの方を見たが、そんな超能力みたいなことがあるかと考えを改めて首を横に振り、席に座った。