第23章 合宿
テツヤもじきに具合がよくなってまた練習に戻っていった。
テツヤが戻って暇だったから、しばらく恐ろしくハードな練習を体育館の隅で座って見続けていた。
みんなすごいなぁ。
あんなにつらいのによく頑張れるなぁ。
赤司くんもみんなに比べたらあんな小さいのにそれを感じさせないところとかつらいはずなのに平然としてられるところとかすごいよなぁ。
本当に...すごい。
ふいにピーッと笛が鳴って驚いてそっちを見ると左足首を押さえてうずくまっている黄瀬くんがいた。
すぐに駆け寄る。
「...捻挫、かな...。」
黄瀬くんの足首を触ってみたり見てみてそう呟いた。
「えー!それじゃあ練習出来ないじゃないっスか!」
そんなこと私に言われても、困る...。
「...黄瀬くん。...ここは邪魔、だからあの救急箱があるところまで片足で跳んで行って。」
「大丈夫っスよこれくらい!」
そう言って立とうとする黄瀬くんを勢いよく押して強引に座らせる。
「...もっと痛くして、合宿中、練習出来ないようにしてあげようか...?」
黄瀬くんにそう言ってみるが、言うことを聞いてくれる気配はない。
「黄瀬、無理はするな。柏木の言う通り大人しくしていろ。」
赤司くんがそう言うと、黄瀬くんは大人しくそれに従って私が言った通りに救急箱のところまで片足で跳んで行った。
「あとは頼んだよ。」
「...うん。」