第23章 合宿
由良side
お昼休憩が終わった後はみんなひたすらこの合宿のために作られた合宿メニューをこなしていた。
いつもの練習以上に厳しいメニューでテツヤはもちろんキセキの世代のみんなもついていくのが精いっぱいといったところだ。
私はお昼休憩前にやっていたドリンク作りを終わらせて体育館の中で練習をしている部員たちの中に怪我人や具合の悪い人たちがいたら介抱する役目を与えられて、早速倒れてしまったテツヤを介抱している。
涼しい場所に移動して、といっても体育館の中はどこも暑いのだがそこから比較的涼しい場所に移動してうちわでテツヤを煽いでいた。
「...大丈夫、じゃないよね...。」
「....。」
大丈夫かと声を掛けようと思ったが、どう見たって大丈夫には見えなくて私の言葉は呟きに変わる。
テツヤは私の言葉が聞こえてるのか聞こえてないか知らないけどタオルを顔にかけた状態で仰向けでぐったりしている。
私は煽ぐのを止めてさっき冷やしておいた袋に入れた氷水を持ってきてそれをテツヤの顔にタオルの上から当てた。
「...冷たいです...。」
氷水の冷たさでようやく反応してくれたテツヤの顔の上から氷水を首のところに持っていって当ててやる。
直接当てると冷たすぎてしまうと思って持っていた自分のハンカチを添えて。
「...気持ちいいです...。」
「...よかった。」
私は再びうちわでテツヤを煽ぎ始めた。