第23章 合宿
桃井side
由良ちゃんはすぐに寝てしまったようで今は寝息を立てている。
普段は表情固いけど寝てる時の顔はなんだか幼い感じがして可愛い。
まぁいつも可愛いと思ってるけど。
こんな機会も滅多にないわけだし私は由良ちゃんのほっぺをつついてみた。
予想はしてたけど、思ったより弾力があってすべすべしていて羨ましい。
つつくのを止めてカバンから携帯を取り出して由良ちゃんの貴重な寝顔を写真に撮る。
それを保存した。
由良ちゃんて...なんていうか、不思議だよね。
ある日突然現れて由良ちゃんが二人いるって聞かされて、こうやってバスケ部のマネージャー一緒にやって。
前にも思ったけど由良ちゃんて一体何者?
考えてみるけど答えは結局出ず、考えるのを止めた。
あ、もうそろそろ休憩時間終わっちゃう。
まだ寝てるけど起こさなきゃ。
由良ちゃんの体を揺する。
中々起きないからほっぺも軽く叩いて耳元で声も出してみた。
が、起きない。
どうしよう。
困っていたら部屋の外で私たちに声を掛けてくる人がいた。
この声は赤司くん、かな?多分。
障子を開けて、部屋に招き入れる。
「もうすぐ休憩時間が終わるが....柏木はまだ寝ているのか?」
「う、うん...。中々起きなくて困ってたの。」
「そうか。」
由良が中々起きてくれないことを赤司くんに伝えると不意に由良ちゃんに近づいて由良ちゃんの鼻をつまんで口を息が出来ないよう押さえた。
「あ、赤司くん...そんなことしたら息が...。」
「こうしたら誰だって起きるさ。今度桃井も試してみるといいよ。....ほら起きた。柏木、起きろ。休憩時間はもう終わりだぞ。」
赤司くんの言う通り、由良ちゃんは息が出来なくて起きた。
ただまだぼんやりとしていて何度も瞬きを繰り返していた。