第23章 合宿
虹村さんのところに戻る。
「皿持ってってくれてサンキューな。」
「...うん。」
てっきり怒ってるものだと思って戻ってみたら、むしろお礼を言われてびっくりした。
「うん、て...。せっかくお礼言われたんだからもっと嬉しそうにしたらどうだ?」
「...びっくりしたから。」
「びっくり?」
「うん。」
なにを言われているのか分からないという風に首を傾げている虹村さんを放っておいて空になっている大皿を重ねて運ぶ。
「由良ちゃん、それ運び終わったらテーブル拭くのもお願い!」
「うん。」
さつきに指示されてそれに従う。
水道のところにある布巾で部員のいなくなったテーブルを拭きに行く。
「柏木、桃井。ここでの仕事が終わったらお前たちも休んでいいよ。」
「はーい!」
ほとんど部員のいなくなった食堂をさつきと協力して二人で片づける。
一番大変だったのは皿洗いだったけど、お昼がそうめんだっただけに洗うのは楽だった。
ただ数が多すぎて皿を拭くのが大変だった。
ようやく片づけ終えて一緒に部屋に戻る。
「なんかもう疲れちゃったね。」
「...そうだね。」
「これがあと3日続くんだと思うと憂鬱だね...。」
「...うん。」
ちっとも涼しくない部屋で扇風機を回して風を送るが、あまり部屋の温度は変わっていないように感じる。
「さつき。」
「なに?由良ちゃん。」
「...ちょっと寝る、ね。」
「休憩終わりに近づいたら起こすよ。」
「うん。...おね...が...。」
さつきと話している最中からずっと眠たくて、横になったら更に眠気が強くなってきて眠る前最後に言った言葉はあとの方はほとんど何を言ったか自分でも覚えていないくらいだった。
強い眠気が襲ってきて、目を閉じたらすっと自分の意識が遠のいていくのを感じた。