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トリップしちゃいました

第23章 合宿


お昼はそうめん。


大皿にそうめんが大量に盛られていてお椀に麺つゆが入っている。


私はなぜか赤司くんと虹村さんに挟まれて座ることになった。


「...赤司くん。」


「なんだ?」


「...なんでさつきはあっちに座ってるのに私だけここなの?」


「不満か?」


なんか監視されてるみたいでやだ....。


なんて言えなくて首を横に振った。



あらかじめ決めておいた係のいただきますの号令でみんな各々食べ始める。


「最低でもこのくらいは食べろよ。」


虹村さんがそうめんを小皿に盛って私の前に置いた。


「...鬼。」


「ん?なんか言ったか?」


虹村さんを睨んで小声で呟いたが、聞こえていなかったようでホッとした。


仕方なく小皿に盛られたそうめんを1本だけ箸でつまんで麺つゆにつけて食べる。


その後も食べ続けるが中々減る気配すらなく、大皿に盛られたそうめんの方が早く減った。


「柏木ー、もうちょい早く食べねぇといつまでも食べ終わんねぇぞ。」


「...うん。」


そうは言っても無理なものは無理なのだ。


「オメーっていつもそんなもんか?」


「...なにが、ですか?」


「食べるのそんな遅いのか?」


「...その日の気分次第...だと思う。」


「気分て...おい。んじゃなにか?今日は気分が乗らないからそんな食べんの遅いのか?」


本当は普段からあまり食べ物を口にしないからなんだ...。


って言いたかったけど言えなかったから嘘をついて頷いた。


「うん。」


「はぁ...。そっか。でも、合宿中は頑張って食べてもらわないとな。」


ため息をついて頭に手を置かれる。


さっきはそれが嬉しかったけど今はそうでもなかった。
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