第23章 合宿
私は今、外の水道の前にいる。
そろそろ外から戻ってくる部員たちのためのボトルをここで作り終えて冷やして待っている。
持ってきた黒い日傘を差して待っているが、暑いことに変わりはない。
よくみんなこんな暑い中走れるなぁなんて思いながら待っていたら早速帰ってきた人たちがいた。
青峰くんと虹村さんが二人で仲良くゴールしてきた。
私は差していた日傘を開いたままそこに置いてドリンクを持って二人に駆け寄った。
「...お疲れさまです。」
「サンキュー。」
「サンキュ。ずっとここで待ってたのか?」
「...はい。」
「ただでさえ暑いんだから気をつけろよ。」
汗ばんだ手で頭に触れられてちょっと嫌だったがポンポンされたから嬉しくて自分が嫌がってたことすら忘れてしまった。
次に来たのは赤司くんと緑間くん。
その次は紫原くん。
どんどん続いて帰ってくる部員たちに冷えたドリンクを渡していく。
最後に帰ってきたテツヤの顔はひどくやつれていてこの合宿中に生きているのか心配になった。
「...大丈夫?」
「...大丈夫じゃないです。死にそうです。いえ死にます。」
この後に気持ち悪いと言い出して水道で吐いてしまったテツヤを介抱する。
吐いてから落ち着いたようで少し休憩させるため座ってもらった。
さっきまで差していた日傘を持ってきてテツヤに直射日光が当たらないようにしたり、ドリンクを飲ませたり私に出来る限りのことをした。
そのうちテツヤを呼ぶ声が聞こえた。
「黒子、早く戻ってくるのだよ。」
「...分かりました。」
「もう、いいの?」
「はい、ありがとうございました。」
テツヤがお礼を言って呼びに来た緑間くんと行ってしまった。
私も中に戻る。
みんな昼食に行くようだったからさつきを呼んできてそこに一緒に行くことにした。