第23章 合宿
「もうすぐ合宿所に到着だ。みんな、忘れ物しないよう今から降りる準備しておけ。」
コーチの声でみんな一斉に準備を始める。
合宿所に着き、前の人から順にバスから降りていく。
合宿所は一言で言うと、旅館みたいだ。
ちょっと古い旅館。
ただ普通よりは少しばかり大きい気もする。
さすが、帝光中の1軍が全員泊まれるだけの施設なだけあるなと思った。
「由良ちゃん、行こう!」
赤司くんを中心にこの旅館の家主に挨拶をしてからみんなぞろぞろ中に入っていく。
私もさつきに手を引かれて一緒に中に入る。
でもその前にと思ってさつきに声を掛けて手を離してもらった。
そしてそのまま家主の元へ行ってその人に話しかけた。
あるお願いをしてから話を終えて待っててくれたさつきのところに戻って、さつきと一緒に荷物を置くために部屋に行った。
「広いね。」
「...うん。」
私たちが使う部屋は二人で使うにしては広い部屋だった。
これぞ日本という感じの畳の部屋でなんだか落ち着く。
縁側、ふすま、障子まであって昔の日本家屋のようなところだなと思った。
まあそんなことは置いといて、早く着替えて体育館に行く。
マネージャーだからと遅れてはいけない。
体育館にはすでに部員たちが集まっており、ここは人口密度が高くもうすでに蒸し暑い。
これからこんな場所で合宿をやるんだと思うと、げんなりした。
みんな集まったところで赤司くんから指示されて全員外に行く。
走ってくるようで、その間私たちマネージャーは水分補給のためのドリンク作りだったりお昼ご飯の準備だったり忙しなく動いた。
私は部員たちがすぐお昼を食べられるようにご飯の準備をすることになった。
準備といってもご飯を作るのは私じゃなくて家主のおじさん。
私は盛り付けとか椅子の準備とかそんな感じのことを頼まれた。
それが終わったらそのことをコーチに伝えに行き、また別の仕事をしに行った。