第23章 合宿
体がガクッと倒れる感じがした。
それとほぼ同時に私の体を誰かが支えているような感覚もした。
「由良ちゃん...起きて...!」
どこからか声がしてその声に耳を傾けていると、必死な様子なのが分かった。
目をゆっくり開ける。
まだぼんやりとしていて状況が掴めない。
自分の髪が顔に掛かって頭から逆さまな状態に....ん?
その状況がおかしいことに気づき、さらに支えられている手にも気づいてようやく自分が陥っている状態が分かった。
私は席の肘掛のところから身を乗り出して逆さまになっていたのだ。
だから、自分で肘掛のところに手を掛けて体を起こした。
「由良ちゃん。よかったぁ。起きてくれて。いきなり倒れるからどうしたのかなって思っちゃったよ~。」
「...ごめんね。重くて。」
「ううん。いいの。それより頭とかぶつけてない?大丈夫?」
「...大丈夫。」
情けない姿を見せて申し訳なく思った。
「寝てる途中もちょっと難しい顔してたけどどんな夢見てたの?」
「...えっと、....。」
自殺する夢、だなんて言っていいものなのかな...。
でもあれは...夢、じゃない気がする...。
「もしかして覚えてない?」
私が考えていると勘違いしたのかそう聞いてくる。
私は丁度いいと思ってそれに乗ることにした。
「...覚えてない。」
「そっかー。由良ちゃんの見た夢ってどんなのかちょっと興味あったんだけど残念...。
でも夢ってなんで忘れちゃうんだろうね?」
睡眠の質が関係してるっていうのは聞いたことあるけどそれがなんだって話だよね...。
「...なんでだろうね。」
「うーん...。あ、そうだ。今まで見た夢の中で覚えてるのってある?」
「...覚えてる、夢...?」
「うん。あったらでいいんだけど、ない?」
「...一応、ある、けど...。」
私がそういうとさつきの顔が輝いて身を乗り出して聞いてきた。