第23章 合宿
次にやってきたのは緑間くん。
その次は虹村さん。
どんどん人が集まってきた。
でもまだまだ出発するには人数が足りなくて暇な時間が続きそうだ。
そんな時虹村さんが隣に座ってりんご味の飴をくれた。
「オメー何時にここに来たんだ?」
「...分かんない。」
時計を見ていなかったから本当に分からなかった。
「じゃあ、朝飯は食った?」
「...食べた。」
食べてないなんて言ったら何か言われることは目に見えていたから嘘をついた。
「そっか。合宿中は積極的に食べてかないとぶっ倒れっからな。」
そう言って笑顔でわしゃわしゃと犬を撫でるみたいに頭を撫でてくれた。
虹村さんの笑った顔っていいな...。
赤司くんの笑った顔には劣るけど、なんだか落ち着く。
もらった飴を口に放り込んで舐める。
「どうだ?美味いか?」
「...多分。」
「多分て...。そこはお世辞でもいいから頷くとこだろ?」
「...そういうものなの?」
「ああ。」
「ふーん。...じゃあ、美味しい。」
さほどそんな話題に興味はなかったが、話し相手になってくれてる虹村さんにお礼のつもりで言う通りにしてあげた。
「そろそろ人も集まってきたしコーチも監督も来たし出発かなぁ。」
隣の虹村さんが呟く。
周りを見てみればさつきや青峰くん、黒子くん、紫原くん、黄瀬くんも来ていた。
私の気づかないところでみんな来ていたらしい。
虹村さんは立ち上がって私の手を引いて私も立たせてくれた。
そして一緒にバスの近くまで行った。