第22章 再び登場
部活が終わりに差し掛かってきた頃、桃井さんに指示されて終わりの準備をしていた。
体育倉庫でごそごそやっていたら後ろから声を掛けられた。
「柏木。」
「なんですか?不良さん。」
声の主がすぐ不良さんだと分かった。
声の方を振り向かず作業する手を止めないで不良さんに声を掛けた。
「話する時はこっち向けって。」
「今ちょっと忙しいのでこのままでお願いします。」
「1on1してやんねぇぞ。」
それは嫌だと思って仕方なく手を止めてそっちを向いた。
「向きますからやらないなんて言わないで下さい!針千本飲ませますよ!嘘つき!」
「やるからそんな怖い顔でそういうこというなよ。」
「...やってくれますか?」
「やるから声かけたんだよ。」
「いつやるんですか?どこでやるんですか?」
「この後部活終わるからそのあとすぐやるぞ。」
「はい!覚悟しておいて下さい!」
「わかったわかった。じゃ、マネの仕事最後までやり遂げろよー。」
そう言って去っていった。
俺は不良さんとのバスケを楽しみにしながら最後の作業を丁寧にやり遂げることができた。
「不良さん、勝負です!」
「望むところだ!」
部活が終わった直後、不良さんの元に駆けていき1on1を挑む。
部活直後ということもあって体育館に残っている部員たちが観客として見ていたが気にせず始めた。
「不良さん、もう1回です!」
「まだやんのか?」
「オジサンはもうバテてしまいましたか?」
「誰がオジサンだ!せめてお兄さんだろうが!」
「お兄さんが推定15歳だとすると俺との歳の差は7歳です。俺から見たら不良さんはオジサンに見えてもおかしくないです。」
「おいコラふざけんな...。いいぜやろうぜ。」
流石バスケ部元主将なだけあって強い。
もうそろそろ終わりにする流れを作っていた不良さんを煽って続けさせた。