第22章 再び登場
「さ、もういいでしょう。帰っていいですか?」
気持ちを切り替えて立ち上がった。
「いやいやいや。帰っていいですか?じゃねぇよ!何のために俺がオメーを学校に連れてきたと思ってるんだよ。」
「さぁ?マネージャーの仕事を覚えさせるため、でしょうか...。」
「ちげぇよ!それもあるけど、部活に出させるためだよ!」
「俺マネージャーよりバスケがしたいです....。」
つい本音がポロリと漏れる。
「ん?オメーってバスケ出来んの?」
「馬鹿にしてるんですか?ただ...試合形式ではやったことないんですよね...。たまに先生と1on1やってただけで。」
「先生?誰それ?」
「まあ、そんなことどうでもいいじゃないですか。」
「おい、ごまかすんじゃねぇ。」
「先生のことは教えません。」
ごまかしても追及されるだけだからきっぱり教えないと宣言する。
「そうかよ。ま、いいや。体育館戻るか。今日マネージャーの仕事やり切ったら最後、俺と1on1しようぜ。」
「いいんですか?」
「おう。」
「約束ですよ!不良さん!破ったら針千本飲ましますから、覚悟しておいてくださいね!」
「お、おう...。」
この時初めて、虹村修造が万華鏡をああ、こいつ子どもだわ、と思った瞬間であった。
俺は不良さんの言葉を信じて体育館に戻り、赤司さんに声をかけて桃井さんという人に自己紹介をして仕事を教えてもらった。
桃井さんはピンク色の長い髪を持つ女性でテキパキと動いている。
マネージャーという役回りにはぴったりの人だと思った。
俺も彼女を見習い動いていたら桃井さんに褒められてすごく嬉しかった。