第22章 再び登場
「なぁ。」
「なんですか?」
「オメーの知ってる範囲でいいから柏木のこと教えてくれねぇか?」
「何故ですか?あなたが由良のこと知ってどうするんですか?そんなに由良を傷つけたいですか?これだから年上は...!」
俺はまくしたてるように言った。
不良さんがふいに真面目な顔をするから何かと思って話を聞いてみれば由良のことを教えてくれだなんてなんと馬鹿馬鹿しい。
「やっぱり何かあるんだな?」
「何もなかったら俺は生まれてません。」
「だよなー。で?」
「で、って何ですか。」
「教えてくんねぇの?」
「あなたに教える義理はありません。まぁ、どうしてもというなら一つだけ。」
「お!本当か!」
「あなたは良くも悪くも由良に影響を与えます。不良さんは強引で相手を引っ張っていく力も持っていますがそれが時には傷つける要素になることをお忘れなく。以上です。」
「終わりかよ!ていうかオメーのそれ、柏木のことじゃなくて俺のことじゃねぇかよ!」
「はい、忠告してやりました。」
「なんか俺の想像してたのと違う!」
「年上なんだからつべこべ言わずそれで納得して下さい。」
「テメェ....そんな時だけ年上扱いするなよ。」
「年上扱いなんてしてませんが?」
「...オメーははっきり言うなぁ...。...柏木もオメーみたいにはっきり言ってくれればいいんだがなぁ。」
「....。」
不良さんのその言葉に俯いた。
「ん?どしたー?」
「なんでもないです。....そうさせたのは、お前らのくせに。」
俯いた俺の顔を覗き込むようにした不良さんに返事を返して、最後にボソッと呟いた。
怒りを表したようなそんな言葉だった。