第22章 再び登場
連れて来られたのは目の前に体育館が見えるところ。
不良さん曰く体育館の裏だそうで。
そこの木陰のとこに座るよう促された。
不良さんは俺の隣にくっつくように座った。
「離れて下さい。暑苦しいです。」
「まあまあ。男同士なんだしいいじゃねぇか。」
「...俺を男として扱うんですか...。」
少し驚いた。
俺を男として扱ってくれる人なんてそうそういないから。
「あ?だってオメー男だろ?自分で言ったじゃねぇか。」
「それはそうですが...。ま、どうでもいいです。不良さんの好きにしてください。」
「おう。」
「で、教えてくれるんじゃないんですか?」
「ああ、そうだな。まず俺らはさっき見たので分かると思うがバスケ部だ。理念はだな、百戦百勝だ。ま、要は勝つことだな。」
「面倒くさ....大変そうですね。」
「オメー今面倒くさいって言わなかったか?」
「言ってません。」
「ま、いいけどよ。主将は赤司だからあいつのいうことは聞けよ。」
この前までは違ったような気もしますが俺が眠っている間に変わったんですね。
「はーい。で、不良さんはなんなんですか?」
「俺?俺は、元主将だ。」
「元?...じゃあ、」
お前が、という言葉を飲み込んで言葉を濁した。
「なんだよ?」
「なんでもないです。」
「そっか。マネージャーの仕事はドリンク作りとかタオル洗ったりとかそんなんな。部員が気持ちよく部活出来るよう補佐するのが役目な。」
「そうですか。」
不良さんの説明でなんとなくマネージャーの仕事のイメージがついてきた。