第22章 再び登場
「不良さんに教えてもらうようなことは一切ありません。赤司さんと...桃井さん、で十分です。」
「おい...!赤司も桃井も暇じゃねぇんだよ。俺が教えてやるからこっちこい!」
そういって強引に連れていこうとする。
「離せ、不良!お前といるくらいなら俺は帰る!死ね!」
掴まれている手を離してほしくて不良さんの足を思いっきり蹴ってやった。
弁慶の泣き所を蹴ってやったので本当に痛そう。
でも可哀想なんて微塵も思わない。
むしろこのくらいの罰受けても当然だと思う。
鼻を鳴らして床にしゃがんで脛を押さえている不良さんを見下ろした。
「ざまあみやがれ、ばーか!」
そう言い残して去ろうと思って後ろを向いたら俺の目の前から声が聞こえた。
「万華鏡、少し言いすぎだ。虹村さんに謝罪しろ。」
「...赤司さん。何故ですか?」
「君が虹村さんを嫌いなのは分かったがそれと虹村さんに暴力を振るったり暴言をはくのとは違う。」
「...分かりました。すみませんでした、ふりょ...虹村さん。」
赤司さんに怖いくらいの低い声で言われたから素直に謝った。
いつまでもこんな低レベルなことでこの人たちとギクシャクしても俺には何の得にもならないから。
「さ、不良さん。さっさと教えて下さいよ。ここのこと。」
「赤司、俺のことはいいからオメーも戻れ。それと俺のことは虹村さんて呼べよ。」
「嫌です。不良さんのことを認めたわけではありませんから。敬語は使ってやりますよ。」
「オメーは...はぁ...もういいわ。不良さんで。じゃ、ここじゃなんだし暑いし外行こうぜ。」
不良さんは俺に名前を呼ばせることを諦めたようで一度ため息をついて外に連れ出した。