第22章 再び登場
「それとさ、オメー8歳なの?」
「そうですが?それが何か?」
不良さんを睨んだ。
「随分小さいのもいるんだなぁと思って。」
「馬鹿にするな、不良!」
「だから不良じゃねぇって言ってんだろ!チビ!」
「虹村さん、子ども相手に下らない言い合いするの止めて下さい。」
「そうです、大人げないです。不良さんは馬鹿ですからここは俺が大人になってあげますよ。仕方ありませんが。不本意ですが。」
そう厭味ったらしく不良さんに言ってやった。
「だから不良じゃねぇって...。つか年上に対しての礼儀ってもんをわきまえやがれ馬鹿野郎。」
「はぁ?馬鹿はそっちでしょう。年上だとそんなに偉いんですか?不良は考え方が単調で本当に馬鹿ですね。ああ、嫌だ嫌だ。」
「オメーなー...!」
不良さんが俺の胸倉を掴んできた。
この人は頭に血が上りやすいと感じていましたが予想通りです...。
「そうやって殴りにかかるんですね。そういう年上、俺大嫌いです。口では勝てないからといって暴力で年下を宥めようとする悪い大人。」
この人を煽るのは楽しい。
「ぐ...。」
「なーんだ。殴らないんですね。ちょっと残念です...。」
不良さんは俺の言葉に何か衝撃を受けたような顔をして悔しそうに胸倉を掴んでいた手を離した。
少し乱れた服を直して赤司さんの方に向き直る。
「赤司さん、お騒がせしました。この不良が。
それで、俺を今日この場に連れてきたのはどうしてですか?」
「体調が悪かったり家の事情で休む以外はちゃんと部活には参加してもらわないと困るからね。」
「参加と言われても俺にはこの学校のことや人の名前や顔を知りませんし、マネージャーとして何をするべきなのかもわかりません。」
「それは俺や虹村さん、それと...あそこにいる桃井が教えてやる。」
「...虹村さんとは?」
赤司さんと初めて会った日に出てきた男の名前だ。
「君が不良さんと呼んでいる彼だよ。」
「...虹村修造だ。さっきはすまなかったな。」
「虹村...修造...。いかにも暑苦しい熱血タイプという感じの人ですね。不良さん。そんな簡単に謝ってすむなら警察はいりませんよ。」
「テメ...!」