第22章 再び登場
不良め、俺をどこへ連れていく気でしょうか...。
そう思っていたら学校に着いた。
学校名のところを見ると、帝光中学校と書いてあった。
ていこうちゅうがっこう...?
ということは由良は今中学生、ということになります、ね...。
え...。
「さっきまでの威勢はどうした?暑さでばてちまったのか?」
不良が俺の顔を覗き込んで聞いてきた。
「そんなわけないでしょう不良!いい加減離してください、どこ連れてく気ですか!?不良のたまり場で犯すつもりですか!なんて卑劣な!」
「今日はまた一段と口がワリィな。ったく。」
結局離してはもらえず、ため息をつきながら体育館らしきところに引きずって連れてこられた。
そこではバスケをやっていた。
「...すごい、です...。」
練習試合だろうか。
中学生のバスケはやっぱりすごい。
俺とは違う体格にあのスピードやテクニック。
思わず見とれてしまって隣にいる不良の存在をすっかり忘れていた。
「不良さんもバスケ部なんですか?」
「なんだその呼び名は...。俺は不良じゃねぇって言ってんだろ。」
「でも昔は不良だったんでしょう?」
「だからなんでそんなこと知って....!」
「へぇ...やっぱり不良だったんですね。」
「テメェ...鎌かけやがったな...!」
不良はやっぱり不良だったんですね。
あんなのが不良じゃなかったらなんなんでしょうね。
「オメーもバスケすんのか?」
「不良さんには教えません。」
「だから今は違うっつってんだろうが。」
不良さんの眉間にしわが寄って顔がさらに怖くなる。
その時ちょうどホイッスルが鳴って試合終了の合図が体育館内に響いた。