第22章 再び登場
「もう大丈夫そうですね。ではギプスを外しましょうか。」
前と同じ人だが、テンションが普通だ。
あの時のテンションの高さがなんだったのか知りたいくらい違う人みたいでそれが面白い。
それほど時間はかからず家にもすぐ帰れそうだった。
家に着く前に近くのコンビニでお昼ご飯を買うためにそこに寄る。
そこで赤司さんが載った雑誌を見つけた。
なるほど....。
さっき赤司さんが言っていた部活というのはバスケのことでしたか。
雑誌を手に取ることはしなかったがちょっとだけ赤司さんに親近感が湧いた気がした。
コンビニで買うものを買ってマンション前に着いた。
エレベーターで部屋がある階まで上がって部屋に入ろうとしたらドアの前に人がいた。
黒髪の、ラフな格好でいかにもスポーツやってます感が出てる男性。
物騒な顔で俺の部屋の前に立っているその人を離れたところから見ていた。
誰でしょうあの人...。ちょっと...怖い...です。
声を掛けるのをためらっているとこっちを向いて、更に険しい顔をしてこっちに向かってきた。
怖かったから階段があるところまで走って逃げた。
他はどうか知りませんが、俺は足が速いと自負していますから簡単に追いつかれることはないとは思いますがあの人も早すぎです...。
こうなったら....
「そ、それ以上近づくと警察呼びますよ!顔つきが不良のお兄さん!」
と叫んだ。
「ちょ、ちょっと待て。落ち着けって!」
「あ、あなたみたいな人が俺の家に何の用ですか!」
「柏木落ち着けって!ていうか俺は不良じゃねぇよ。」
「嘘をつくならもっとマシな嘘ついてください!あなたが由良と知り合いだなんて認めませんから!調子乗らないでください!馬鹿!」
「はいはい、オメーの言い分は分かったからとりあえず学校行こうな。」
「それ以上近づかないでください!不良!」
「いや、だから違うって...。いいから来い!」
「いやぁ!犯され...」
一気に間をつめてそこまでは言わせないという風に口を塞がれた。
じたばたするがこの体格と力は圧倒的にこの男の方が上だから諦めていつでも逃げられるよう体力を温存しておく。