第21章 赤司主将
「柏木、元気出たか?」
「....?」
何を聞かれているのか分からなかった。
「オメーさ、俺の言ったことに傷ついたか知らねぇけどすげぇ落ち込んでたじゃん。まさかそれも気づいてねぇとか言わないよな?」
「別に...傷ついてない。...暑さのせい、だから、...虹村さんは気にしなくていい。」
傷ついてなんか...ない、よ。
悪いのは全部...***...なんだから。
「そんな顔で言われてもなぁ...。オメーら、ちょっと寄ってかねぇ?」
そう言って指さされたのは公園。
夜の公園のベンチに三人ではさすがに座れないから虹村さんだけが立って、三人で自販機の飲み物を飲む。
虹村さんと赤司くんが缶コーヒー。
私はなんでもよかったが、虹村さんに炭酸ジュースを買ってもらった。
それを飲むのは初めての体験で一口飲んでみると、口の中でなにかが弾けるようなそんな感じがして不思議な感覚でびっくりした。
「どうだ?」
「シュワシュワする....。」
「まぁ、炭酸だしな。気にいったんならよかった。」
「...ありがとう、ございます。」
「おう。」
その穏やかな顔が私は好き。
やっぱり怒った顔よりこっちの方が安心する。
「お。その顔だよ。ずっとそんな顔してろよ。」
そんな、顔...?
「なんか我慢してる顔よりそっちの方がかわいらしくていいんじゃねぇの。」
「....褒めてる?」
「あぁ。」
「....。」
ちょっとだけ嬉しくて口元だけが少し笑ったように動いた感じがした。