第21章 赤司主将
すぐに保健室の先生が来てくれた。
とりあえず涼しい所に移動しようということになったのだが、足に力が入らないので立てない。
困っていたら、斜め後ろにいた黄瀬くんが私を抱っこして連れていってくれた。
この時初めて黄瀬くんのことをカッコイイと思った。
「黄瀬くん、運んでくれてありがとう。」
先生が黄瀬くんにお礼を言う。
「...ありが...とう...。」
私もなんとかお礼を言えた。
黄瀬くんは嬉しそうな顔をして元の場所に戻っていった。
蓮花が惚れるの、なんとなくわかった気がする...。
先生が服を緩めてくれた。
第一ボタンとリボンを外してスカートのホックも外して靴下も脱がせてくれた。
ちょっと温くなったスポーツドリンクを渡されたので一口二口飲んでみる。
正直温くて飲むのがちょっとつらかった。
「どこか痛いとかない?」
「...あたま、痛い。...です。」
「そう...。それちょっとずつ飲んでここでゆっくりしててね。」
そう言ってどこかに行ってしまった。
ふとステージの方を向いてみると、ちょうど赤司くんが話をしていた。
生徒会からのお知らせと軽く話もしているようだった。
ぼーっとする頭でそっちを見ながら話を聞き流す。
話が終わったようで赤司くんが降壇した。
赤い頭がこっちに向かってくるように見えた。
「大丈夫か?」
気づいた時にはもう目の前に来ていて話しかけられていた。
「...あたまはまだ、痛い...。」
「頭痛がするのか?」
「...うん。」
「じゃあそのスポーツドリンクを飲むといいよ。水分補給が足りてないみたいだからね。」
「...うん。」
素直に言うことを聞いて手に持っているドリンクを飲んでいると、先生が戻ってきた。