第20章 虹村主将
「夏休み入ったらすぐ合宿あるけど、なんか心配なこととか聞いときたいこととかある?」
「...暑い?」
「そりゃあ夏だし暑いだろ。」
「そう...。」
「なに?なんかあんの?」
「...なにもない。」
地面に視線を落したまま返事をした。
そっか...暑いのか...。大変だろうなぁ。
「他には?」
「...部屋はみんな一緒?」
「学年で違うと思うけど...。男と女はもちろん別な。オメーは多分桃井とおんなじ部屋。」
「ふーん。」
さつきと...一緒...か。
「聞いといて興味なさげだな。」
そんなつもりはなかったけど、虹村さんにはそう見えたみたいでよく分からない表情をしていた。
「もうないか?」
「...楽しい?」
「うーん...。つらい。でもいい思い出にはなるんじゃね?」
「そっか。」
虹村さんの言葉でこれから行く合宿が少し楽しみになってきた。
長かったようで短かった休憩時間が終わり、虹村さんは部室に、私はその足で体育館にそのまま行くことにしたので途中で別れた。
「虹村さんとの面談はどうだった?」
体育館に入ってすぐに赤司くんにそう聞かれたから答える。
「....楽しみになった。」
赤司くんの問いに対して変な答えになってしまったが気にしない。
でも赤司くんは私の答えに首を傾げて分からないとでもいった顔をした。