第19章 willingness
赤司...。
「昼間の電話の方ですか?」
「あぁ。」
「とりあえずここで話をするのもなんなので上がって下さい。」
「...いいのか?」
「構いませんよ。色々聞きたいこともありますし。」
赤司さんを家にあげる。
さっきまで掃除はしていたが多分まだ汚い。
ガラスとか危ないものが落ちていたらまずいので赤司さんには客用のスリッパでも履いてもらった。
「ところでその手はどうしたんだ?」
冷蔵庫に入っている麦茶をコップにと思ったが、コップも割られていたことに気づいてキッチンの下の物入れから紙コップを出し、仕方なくそれに入れて出した。
「...分かりません。朝起きたらすでに痛みはあったので昨日のうちに由良が何かしたんでしょう。...昨日なにがあったか教えてもらえませんか?」
「それは構わないが...ノートに書いてないのか?」
なんでこの人、ノートのことを知って....。
「それが...虹村さんなんか大嫌い死ねとしか書いていなくて...。」
困ったように眉をハの字にする。
あっちもそれを聞いて苦笑していた。
「昨日テストが返されて...うちの部はテストの見せ合いをすることになっていてそれで柏木の点数も知ったんだ。
前に小テストがあったんだが手を抜いていたことが分かって、今回の定期テストも点数を見て手を抜いたんじゃないかと部活後に聞いたあと部長が怒鳴ったら急に怒りだして....」
「そうですか....。」
なるほど。
それで怒りが爆発してしまったんですね。
「...あなたが部長、というわけではないんですね。由良を怒った時そこに何人いたんですか?」
「俺を含め三人だ。」
なんとなくですが、状況は分かりました。