第19章 willingness
「せーの!」
誰かの掛け声でテストの見せ合いが始まった。
見せ合いをするのは学年別で1軍の人だけなのだが。
キセキの世代のみんなとさつきと私のテストが部室に置いてある机の上に並ぶ。
当然全て満点の赤司くん。
全て満点とはいかないもののすごい緑間くん。
普段ゆるいのに意外とすごい紫原くん。
比較的頭の良いさつき。
平均点の黒子くん。
赤点ギリギリの青峰くんと黄瀬くんと私。
「青峰と黄瀬はどうやら赤点を免れたみたいだね。柏木は....また手を抜いたのか?」
「柏木サンが赤点ギリギリなんて意外っスね。」
「お前って実はバカなんだな。」
などと色々言われる。
「赤司くん、私の実力はこんなものだよ。」
赤司くんの質問にだけうっすら微笑んで答えた。
テストの見せ合いも終わったところで部活が始まった。
部活が終わって、私は部室に呼ばれた。
何度目だろう部室に呼ばれるのは。
そんなことを思いながら、部室に行く。
ドアを開けて中に入ると、やっぱり赤司くん。
と虹村さん、それとさつきが珍しくいた。
「あ、由良ちゃん。お疲れさま!」
部室に入るなり、さつきにねぎらいの言葉をかけられた。
「...ありがとう。」
ねぎらわれて嬉しいとかそういう感情はなかったがとりあえずお礼を言う。