第3章 転入生な私
ありがとう!
そう言おうとしたが、急に意識がなくなって前に倒れる。
由良side
ん....。
意識が戻ってきた。
倒れていた体を起こして、みんなを見る。
私なにしてたんだっけ。
確か....蓮花の声が聞こえて.....それから....
ぼんやりとしか思い出せない。
「大丈夫ですか?」
黒子くんがこっちを心配そうに見ている。
「....うん、平気。
ねえ、なに話してたの....?」
「....覚えて、ないんですか?」
黒子くんの言葉に頷く。
「今ちょうど君が二人いるという話をしていたところだ。」
「....そう。」
え?
二人?
「二人....?」
「ん?なにか違ったかい?」
蓮花が言ったのかな?
蓮花の他にもいるって教えたほうがいいのかな?
でも蓮花が言ってないなら言わなくていいか....。
「....ううん。」
「君が二人いるということは今の君は俺たちに会うのは初めてなんだね?」
「....そうなる、ね。」
「では、改めて自己紹介をしよう。
俺は赤司征十郎だ。」
「赤司....様?」
「その呼び方はよしてくれないか。」
赤司くんが困った顔をしている。
「....うん。止める。」
「僕は黒子テツヤです。」
「優しい人....。」
「え....?それはどういう....。」
「....さっき、ハンカチくれたから。」