第3章 転入生な私
蓮花side
意識が段々戻ってきた。
みんなの騒がしい声で目を開け、上体を起こす。
「蓮花さん、大丈夫ですか!」
黒子くん、やっぱり優しいしキャワイイ!!
「うん、大丈夫だよ。」
二コリと微笑む。
「赤司くん、あまり由良を困らせないでくれるかな?」
赤司くんのほうを向いて喋る。
「君は昨日の...。」
「ええ、昨日一緒に帰った蓮花よ。」
「まるで別人のようだな...。」
赤司くんもそうだが、他のみんなも目を見開いて驚いている。
そりゃあそうだ。
由良と私じゃ、雰囲気も喋り方も全然違うし。
「だって別人だもの。今日の朝、あなたと登校した私と今の私は別人。まだわかんない?」
「え、どういう....。」
「だからー、私は二人いるってこと!」
ほんとは四人だけど黙っておこう....。
「そんなことが本当にあるのか?」
「目の前にその本人がいるのにまだ信じられないの?
別に信じろなんて言わないわよ。どうせ演技だろうって人もたくさんいるし。」
そう言って俯く。
「僕は信じます。」
「黒子くん....。」
「僕の目の前で雰囲気が違う人が現れたら信じるしかないじゃないですか。」
「テツくんが信じるなら私も信じる!
蓮花ちゃん好きだし!」
さつきちゃん....。
「ほら、青峰くんも!」
「はぁ?あー、信じればいいんだろ、信じれば。」
青峰くん....。
「仕方ないから信じてやるのだよ。」
緑間くん....。
「俺も嘘ついてないっぽいし、信じるッス!」
黄瀬くんカッコイイ!!
「俺も~、お菓子くれたら信じる~」
「はい、飴あげる。」
お昼代わりだと思われる飴を紫原くんに渡す。
「お菓子くれたから信じる~。赤ちんは~?」
「俺も信じるよ。」
「みんな....!」
ちょっとうれしいな....。
分かってくれただけなのに涙が....
出てないけど。