第18章 君のこと
「....今日はなんで誘ってくれたの?」
行く当てもなかったから公園のベンチに赤司くんと二人で座って話をすることにした。
「柏木のことを知りたかったんだ。」
「....私のこと?」
「ああ。俺はお前のことをあまり知らないからね。」
「....私のことを知ってどうするの?」
「部員のことはマネージャーのことを含めて把握しておきたくてね。」
「そう...。じゃあ、私に答えられることなら答えるから何か気になることがあるなら質問して。」
「お前は....どうやってここに来たんだ?」
いきなり質問が来て驚いた。
質問の意味を理解してからどう答えるべきか考える。
「....分からない。」
「またそれか...。分からないとはどういうことだ?」
「....覚えてない。」
「帰りたいとは思うか?」
帰る...?それは....
「....ここは居心地がいいからずっとここにいてもいいと思ってる。」
「心配している人もいるんじゃないか?」
「そんな人いるわけない。」
「何故?」
「いるわけ...ない...。いない...。だって私は...」
「私は?」
「っ!...な、なんでもない....!」
思わず言いそうになってしまった。
私の知られてはいけない秘密。
きっと赤司くんだって他のみんなだってこの話を聞いたら離れていってしまう...。
そんなのは絶対嫌。