第18章 君のこと
由良side
目を開けて、状況の確認をする。
まだぼんやりしているが顔を上げてみた。
目の前には赤司くんと空になった皿たち。
「柏木、大丈夫か?」
赤司くんが声をかけてくれたおかげで意識は段々とはっきりしたものになっていった。
「....うん。えっと....?」
「さっきの独り言の件を教えてもらったよ。」
「えっ。....信じるの?」
「だから話してくれなかったのか?」
「こんな突飛な話、信じる人、あんまりいないから。」
「でも、話すまで分からないだろう?」
「....ごめんなさい。」
分かっているけれどそれが出来なくて、赤司くんの言葉になにも言えなくて俯く。
「謝ってほしいわけじゃないんだ。ただ、言いたいことがあるなら言ってほしい。隠していることも。」
「っ。...隠していること?」
「あるだろう?」
「なんで、そう思うの?」
「今俺が隠していることと言った瞬間に視線をずらしたろ?」
やっぱり赤司くんには敵わないなぁ....。
「....確かに隠してることはあるよ。でも...まだダメ。」
「何故?」
「9月18日。」
「え?」
「その日に全部話すことになるから....それまで待ってほしい。」
「分かった。それまで待つことにしよう。」
「ありがとう。赤司くん。」
分かってくれて本当に良かったと思った。