第18章 君のこと
何て言おうか迷っていたらちょうど店員が来て注文の品が来た。
「今の話の続きはあとで聞かせてもらうとして、今は食べよう。」
「.....。」
無言でサラダを黙々と食べる。
キャベツときゅうりのシャキシャキ感。
プチトマトをフォークで転がして遊ぶのも楽しかった。
そんなことをしながらサラダを早々に完食して目を瞑る。
「食べ終わったから。」
『変わろう!』
意識がプツンと切れた。
みさきなでしこside
目を一回開けて視界がぼやけていたから数回瞬きを繰り返す。
ようやく視界がはっきりしてきて顔を上げた。
顔を上げると、赤司っちが目の前でパスタを食べながら少し心配そうな顔でこっちを見ていた。
「赤司っち、そんな顔しないでよ。」
「っ!?」
「あ、驚かせちゃった?ごめんごめん。」
「さっきまでは確かに柏木だったはず....。」
「うん。さっきまでは由良だったよ。今ので分かったと思うけど、私たちは自由に交代することが出来るのよ。」
「それを先に言ってくれ。急に意識がなくなったみたいに動かなくなったから心配したよ。」
「それを由良に言ってあげてよ。さてと、私はこのフレンチトーストを食べますか!」
まだなにか言いたげな赤司っちのことは放っておいて、目の前にある私が注文したフレンチトーストを食べる。