第18章 君のこと
赤司くんと向かい合うように座って二人でメニューを見る。
「なに食べる?」
ここまで来てなにも食べないなんて言えるはずもなく仕方なくなにを食べるか真剣に考える。
「....赤司くんは決まったの?」
「あぁ。」
決めるの早いよ...。
どうしよう。
お腹がいっぱいになれば基本なんでもいいけど、味覚がない分見た目とか食感とかで人がいる時は楽しく食べたい。
『フレンチトースト!フレンチトースト食べたい!』
いきなり聞こえてきた声に驚きながらもちゃんと意見を聞く。
「急になに。」
『いや、だってなんか食べたくなっちゃって....。』
「分かった。」
「柏木?」
赤司くんの方を向くと不思議そうな顔をしていた。
多分急に独り言をぶつぶつ言い始めたからだろう。
「じゃ、じゃあ....サラダといちごとベリーのフレンチトースト。」
「分かった。」
店員を呼んで注文を済ませてくれた。
店員が行ってしまったあと、注文したものが来るまで赤司くんと少しのお喋りをした。
「さっきは急にどうしたんだ?」
「....なんでもない。」
「俺には話せないこと?」
「...そんなこと....ないけ、ど。」
「じゃあどうして?」
さっきとは違って問い詰められる。